平和教育について
キリスト教主義教育をその基礎に置く本学園は、隣人への愛と奉仕によりこの社会に平和を実現する行為を尊ぶとともに、人間の罪の問題も深く問わねばならない、ということをその教育の姿勢としています。
その姿勢を戦後50年という、節目の年に明確に表したいという強い祈りと願い、そして新しい時代の平和を創る学園としての出発をするために、1995年、北星学園は『平和宣言』を発表いたしました。
また2004年2月に、「2004年2月声明」を発表いたしました。
平和宣言(日本語)
平和宣言(英語)
平和宣言(韓国語)
平和宣言(中国語)
2004年2月声明
2003年12月、自衛隊をイラクに派遣することを日本政府は閣議決定し、そして、年が明けて戦火がおさまっていないイラクのサマワに、武器を携えた自衛隊を実際に派遣しました。
これは、いかに国際協調や人道支援、また平和維持活動と称しても、他国の人々から見れば「軍隊」と見なされ、また、武器を使用することを余儀なくされる恐れが生じるだけでなく、日本が戦争行為に参加する国に加わることを意味します。
北星学園はキリスト教の精神に立つ学園として1995年、戦後50年を期として「北星学園平和宣言」を出し、平和を作りだす取り組みに携わる学園として歩むことを表明いたしました。
日本国憲法はその第9条において、国際紛争を解決する手段としての武力による威嚇や行使を永久に放棄し、また陸海空軍その他の戦力を保持せず、国の交戦権を認めないことを掲げています。しかし今や日本はこの平和憲法を破り、「戦力」を国外において行使する国家になろうとしていることを危惧します。
報復行為として戦争行為が繰り返されるという色彩の濃いイラク戦争のなかに日本を巻き込んでいくのが今回の自衛隊派遣であるという認識から、また平和憲法を護る立場に立ち、そして何よりも一人の命も粗末に扱われてはならないという聖書の教えに照らし、平和を守る教育を行う学園としての決意を新たにしつつ、ここに表明します。
声明文
私たち北星学園は、キリスト教の精神に立つ学園として未来に生きる生徒・学生を戦場に送らないため、戦争行為を正当化するいかなる政策にも反対し、平和を実現する教育を貫き通すことを表明します。
「殺してはならない。」(出エジプト記 20章13節)
「平和を実現する人々は幸いである。」(マタイによる福音書 5章9節)
2004年2月
学校法人 北星学園
戦後80年にあたって平和への声明(2025年9月声明)
戦争や紛争が絶えない世界の現状に加え、核兵器の使用を示唆する国の存在が、人々の心に深い不安と痛みをもたらしています。こうした中で、 戦争と紛争の終結 と平和の実現を願う声が世界中で高まっています。
昨年、日本原水爆被爆者団体協議会は、「核兵器廃絶運動」、「核兵器の恐怖を後世に伝える語り部活動」等 、戦後の平和活動の歩みが評価され、ノーベル平和賞の受賞につながりました。しかしながら、戦争や被爆の悲惨な体験を語り継ぐ人々の高齢化が進む中、平和という“当たり前”の尊さを、次世代に伝えることの難しさに直面しています。
学校法人北星学園は、1995年5月、アジア・太平洋戦争終結から50年の節目にあたって「北星学園平和宣言」を発表しました。この宣言は、本学園の創立の精神と戦後の歩みを振り返り、平和を希求し続ける決意を表明したものです 。
戦後80年を迎えた今、私たちは、生徒・学生がすべての人の幸福と尊厳を大切にする社会の実現を目指し、「人と人」、「文化と文化」をつなぐ架け橋となる人間へと成長するよう、教育に取り組んでまいります。
この世界が歴史的な転換期を迎える今、「北星学園平和宣言」に込められた精神を確認し、平和をつくる学園として歩み続けることを、 改めてここに表明します。
