クリスマス

学園長(理事長) 古川 敬康

学園長(理事長)の挨拶

 謹んで、救い主イエス・キリストのご降誕をお慶び申しあげます。
 また、皆さまの本学園へのご支援に心より感謝申しあげます。


 北星学園らしさに触れていただくクリスマスの季節です。毎年、このアドベントの期間に、各学校において近隣の方や同窓生をお招きし、クリスマスツリーの点灯式やクリスマスコンサート、教室の窓へのステンドグラスの飾り付け等、イエス・キリストの降誕を待ち望むアドベントのイベントを各種行っています。また、本学園が創立以降、最も大事に守ってきたクリスマス礼拝では、聖書から語られる神様からの喜びのメッセージを共に聞く時間を過ごしています。

 今年も、新型コロナウィルス感染が終息していない状況のため、本学園においても、学生・生徒また保護者の方、教職員の健康を何よりも優先し、力を合わせて感染予防に取り組んでいます。少しでも皆さまとクリスマスの喜びを分かち合えればと思い検討を重ね、各学校ごとに、内容の変更や規模の縮小、あるいは、一般の市民の皆様には予約制やオンライン配信など、様々な工夫をして開催する運びとなりました。参加ご希望の場合には、事前に各学校にご確認をお願いいたします。 ご一緒に御子イエス・キリストのご降誕を祝いましょう! 

 皆さまの上にクリスマスの喜びと神さまのご祝福がございますようお祈り申しあげます。

木村宗教主任による礼拝メッセージ

2021年度学園クリスマス礼拝は、学園内の各校とオンライン生配信の形式で実施いたしました。当日の木村宗教主任による礼拝メッセージを掲載いたします。

 皆さま、クリスマスおめでとうございます。

 「コロナ二年目のクリスマス礼拝をどうするのか。昨年のように中止するのか。いや、このような時こそ、学園のみんなで繋がることが大切だし必要ではないか。幸いネットワークもある。」そこで、元々私が担当に当たっていましたので、ここ女子中高の講堂から配信することになりました。場所は離れていますが、ひと時ご一緒に心を合わせたいと思います。

 さて、今年は皆さんにとってどのような一年だったでしょうか。コロナ対応に追われ、疲れて、気が付けば一年が終わっているように感じている人も多いかもしれません。

 私事にはなりますが、私の新年は散々なものでした。久方ぶりにギックリ腰になったのが1/2。1/6の学園新年礼拝を控えながらも、説教を作ることができず気が気でありませんでした。その時、分かち合った学園の年間聖句「あなたの御言葉は、わたしの道の光。わたしの歩みを照らす灯」その言葉の通り、この一年聖書の御言葉を灯とし、足元を照らされながら、何とか一歩一歩、歩みを進めてきました。

 そんなある日、私の元に小さな小包が届きました。それは25年前、寝食を共にし、牧師を育てる神学校で三年間を過ごした友からのものでした。 15年ぶりに私を探し出し、手作りの絵と御言葉を書いた額を送ってくれたのです。苦しかった私の状況など知るはずもないのに。

 その言葉が今日の聖書、例年クリスマスには必ずといってよいほど読まれる箇所で、別訳で「光は闇の中に輝いている。闇はこれに打ち勝たなかった」ヨハネ1:5。

 その頃、闇に覆われているように感じていた私の胸に、この言葉が響きました。闇の中に輝く光が確かにあること。そして、闇がまことの光を打ち破ることなどできないことを思い出させてくれました。

  皆さんは如何でしょうか。この一年或いは二年いやもっと長く、苦しい思いをされているかもしれません。闇に覆われているかのような感覚に囚われ、悲しみに耐えている人もおられるでしょうか。

  さらにコロナの影響で様々な対応を求められ、心身をすり減らし、好きなこと、例えば人と会うことや旅行なども制限される期間が長引いて本当に疲れますよね。

  けれども、そのような困難の中で気づかされたこともあるのではないでしょうか。当たり前が当たり前ではないこと。学校に来てマスクせずに大声で笑いあえる日常がどれ程尊いものであったかを。

  10年前の東日本大震災で突如として家を失い、着替えも貯金通帳も持たずに旅に出ることになった福島の人たちがこんなことを語ってくれています。「…気づくと、『ありがたい』が口癖になっていました。食事のごとに『食べるものが与えられて、ありがたい』『着るものが支給され、有難く頂きました』そして、人情に触れて涙もろくなり、当初、雑魚寝であっても布団で横になることがありがたく、五日ぶりに温かいものを口にしては感激した」というのです。

 今日の個所はクリスマスに馴染みのある聖句であるということだけでなく、私たち北星学園の建学の精神にも通じる聖句の一つでもあります。

 創立者たちも次々に起こり来る問題や試練、学校存続の危機の中で、また社会情勢や一人一人の心に巣くう闇や罪の現実に直面し、あたかも光が消えてしまったかのような感覚に襲われ、闇の深さに恐怖したかもしれません。でも、その度に神に祈り、聖書の言葉を握りしめて、「闇は光に打ち勝たない。光は、暗闇の中に輝いている。」そう信じ続けたのではないでしょうか。

 今日は、神の御子イエスキリストの誕生を祝うクリスマスです。

 イエスキリストは永遠の初めから存在し、神とともにあり、神なることばであると聖書は語ります。さらにヨハネの福音書1:4「言の内に命があった。命は人間を照らす光であった。 5光は暗闇の中で輝いている」

 キリストは私たちを照らす光であり、暗闇の中で確かに輝いている。闇が深く光を見いだせないように思える時でも光なるキリストが私たちと共にいて見守っていてくださる。どんな闇でも打ち勝つことのない確かな光が与えられていることを、クリスマスのこの夜、共に覚えたいのです。

 そして、その光と灯をしっかり受け「暗い世にあって星のように輝く」そんな私たちでありたいと思います。

 皆さま、クリスマス、心からおめでとうございます。

 お祈りします。

「天の父なる神さま。今日はコロナ二年目のクリスマス礼拝を、学園の皆さんと共に捧げることができましたことを感謝いたします。時に溺れそうになるほど闇は深く、強く、私たちは光を失いかけてしまいます。けれども、あなたは愛する御子イエスキリストを私たちの元にお送りくださいました。キリストは私たちを照らす光であり、光は暗闇の中で輝いている、今日、そのことを覚えることができました。 依然、先が見えない中を手探りで進んでいます。どうかあなたが託してくだっている大事な生徒・学生を愛し、大切に育てることができますよう、私たちをあなたの愛で覆い、力を与えてください。そして光を照らして私たちを導いてください。 このお祈りを私たちのためにこの世界にお生まれくださった、主イエスキリストの貴いお名前を通して御前にお捧げします。アーメン」

北星教育 クリスマス特集号

  • 目次
  • アドヴェント第1週のメッセージ/女子中高のクリスマス ………………………………… (2-3)
  • アドヴェント第2週のメッセージ/大学・短期大学部のクリスマス ……………………… (4-5)
  • アドヴェント第3週のメッセージ/附属高のクリスマス …………………………………… (6-7)
  • アドヴェント第4週のメッセージ/余市高のクリスマス …………………………………… (8-9)
  • クリスマスにおすすめの本・クリスマスQ&A ……………………………………………(10-11)
  • 写真で振り返る北星学園のクリスマス/編集後記 …………………………………………………(12)
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